新規指導対策

新規に保険医療機関として指定を受けた歯科医院は、開業後6か月から1年以内に「新規個別指導(新規指導)」を受けることが義務づけられています。
この指導は、保険診療の算定方法、カルテ記載、施設基準や衛生管理体制など幅広い項目が対象で、準備不足や知識不足、さらには「保険診療とは何か」という基本認識が不足していると、厳しい指摘を受け、再指導や監査に発展するケースも少なくありません。再指導・監査となれば経営に与えるダメージは深刻で、閉業に至る場合もあり、過度な精神的負担によって心身を大きく消耗するリスクもあります。
そのため、事前の徹底した準備が不可欠です。
ジョイデンタルサポートでは、豊富な現場経験と最新の指導傾向をもとに、新規指導に向けた徹底的な事前準備をサポートします。カルテやレセプトの適正化、必要書類の整備、院内オペレーションの確認、スタッフ教育などを行い、合格ラインを確実にクリアできるよう伴走。単なる“指導対策”にとどまらず、指導準備を通じて医院の基礎体制を整え、今後の安定経営につなげることを目的としています。
| 1. 開業当初(約1年前〜) | 開業時からコンサルに入ることで、カルテ記載や衛生士の業務記録、デンタル・技工指示書・納品書など、日頃から気を付けるべき点をお伝えできます。これにより、直前準備の負担が軽減され、訂正や作成物・指示書・納品書の出し直しも少なくなります。 |
|---|---|
| 2. 約1か月前〜 | あらかじめ準備しておくべき書類(施設基準・衛生管理記録・医療機器点検記録など)を整理・確認します。また、カルテの是正練習を行い、新規指導の流れや質問想定をスタッフへ共有。医院全体で意識を統一します。 |
| 3. 新規指導の通知〜前日 | 通知を受けてからは、一緒に準備を進めつつ、最終確認を実施。カルテ・レセプトの適正化、掲示物や感染対策、スタッフ対応マナーを細かく点検し、安心して当日を迎えられる体制を整えます。 |
| 4. 当日 | 院長・スタッフの緊張を和らげる直前サポートを行い、指導官からの質問や書類提示にもスムーズに対応できるよう伴走。必要に応じて、同席または待機によるバックアップ体制も取ります。 |
| 5. 事後対応 | 指摘事項が出た場合は内容を整理し、改善策をご提案。改善計画をスケジュール化し、確実にフォローアップします。さらに、将来の個別指導や再指導に備え、経営・診療体制のブラッシュアップを支援します。 |
新規指導のリスク
新規指導は「説明型」の行政指導で、目的は保険診療ルールの理解促進です。
| リスクポイント |
・初めてのため、不備や理解不足があると指摘を受けやすい ・カルテやレセプトの不備は、その場で改善指導が入る ・適切な対応ができないと、開業直後の行政(厚生局)との信頼関係や、患者からの信頼に悪影響を及ぼし、医院運営のスムーズさに支障をきたす ・スタッフが把握不足だと院長に負担が集中 ・改善が不十分な場合は「再指導」の対象となり、さらに「個別指導」に移行する可能性もある ・合格ラインに達するまで終わらないため、院長・スタッフは精神的・肉体的に疲弊し、日常診療や経営に支障をきたす恐れがある |
|---|---|
| 対 策 |
・カルテ・レセプトを日常的に整理し、定期的に照合する仕組みを作る ・スタッフ全員へルールや算定基準を周知し、開業当初から正しい記録習慣を徹底する ・模擬質問への事前対応に加え、新規指導の流れをスタッフと共有しておく ・書類・掲示物・衛生管理記録などを余裕を持って準備・点検する ・必要に応じて専門家と連携し、直前ではなく1年前からの準備体制を整える ・指導対象月のカルテを重点的に確認し、特にパノラマ撮影など高点数処置の必要性を説明できるようにしておく ・指導員に対しては敬語・丁寧な言葉遣いを徹底する ・カルテ・レントゲンの取り扱いにおいて患者プライバシーに配慮した行動を心がける |
個別指導対策

個別指導(都道府県個別指導)は、保険診療の内容や請求方法について、行政が医療機関を指名して行う是正型の詳細調査です。
新規指導とは異なり、高点数の継続や患者からの指摘、過去の指導歴などが契機となる場合が多く、事前準備不足や記録不備が発覚すると、返還請求や行政処分など重大なリスクにつながります。
ジョイデンタルサポートでは、カルテ・レセプトの整合性チェック、資料整理、過去事例に基づく質問対策を徹底支援。さらにシミュレーション形式での訓練により、当日の院長・スタッフが落ち着いて対応できる体制を整えます。
単なる形式整備ではなく、「日常業務を正しく、かつ説明可能にする仕組みづくり」こそが個別指導の最大の予防策です。
| 1. 日常業務から(通知前〜) | 個別指導は高点数継続や患者からの指摘、過去の指導歴などを契機に行われるため、日頃からカルテ・レセプトの整合性を保つことが重要です。診療録の詳細記載、技工指示書や同意書の整備、患者説明の記録徹底など、日常的に正しく運用しておくことで、突然の通知にも慌てず対応できます。 |
|---|---|
| 2. 通知を受けてから(約1〜2か月前〜) | 通知書の内容を精査し、重点確認項目を分析します。カルテ・レセプトの突合点検と是正指導を行い、診療録の記載方法や算定根拠を再確認。スタッフには質問対応シミュレーションを実施し、院内設備・衛生管理・掲示物なども最終調整します。 |
| 3. 当日 | 院長の緊張を和らげる直前サポートを行い、質問や提示要求に即応できる体制を整えます。必要に応じて、同席または待機によるバックアップを行い、安心して指導に臨める環境を提供します。 |
| 4. 事後対応 | 指摘事項があった場合は内容を整理し、改善優先度を明確化。改善計画を策定し、実行支援を行います。再指導を回避するための体制づくりや、長期的に健全な診療・経営運営を実現するためのブラッシュアップまでフォローアップします。 |
個別指導のリスク
個別指導は「是正型」の行政指導で、過去の診療や請求に疑義がある場合、高点数継続、患者からの指摘、過去の指導歴、あるいは新規指導の結果に基づく再指導などを契機に行われます。
| リスクポイント |
・レセプト算定ミスやカルテ不備があると診療報酬の返還請求が発生 ・指摘事項が改善されない場合は再指導の対象となる ・度重なる不備や重大な違反が確認されると行政処分(保険診療の制限や停止)につながる ・最悪の場合、保険医療機関指定の取り消しや保険医資格の剥奪に至るケースもある ・個別指導も合格ラインに達するまで繰り返されるため、院長・スタッフの負担は大きく、疲弊やモチベーション低下を招く。長期化すれば経営の悪化は必至 ・経営の信用や医院の社会的評価に大きな影響を及ぼす |
|---|---|
| 対 策 |
・過去カルテとレセプトを定期的に完全照合し、不一致をその場で是正する ・患者説明や同意書の記録を日常診療のルール化し、署名・日付・保管まで徹底する ・模擬指導を通じて院長・スタッフの質問対応力を訓練し、当日に備える ・指導通知を受けた段階で重点項目を分析し、リスクの高い箇所を集中的に修正する ・外部の専門家を交え、改善計画とフォローアップをスケジュール化して長期的に管理する |
よくある失敗事例 & 自己診断チェックリスト
| カルテの記載不足や不備 |
☑ 症状や処置内容が簡略化され、詳細が記録されていない ☑ 使用材料や説明内容が記載されず、根拠が不明 ☞ アドバイス:治療前後の状況・説明内容・患者同意の要点を簡潔に記録。画像・X線等のエビデンスはカルテIDと紐づけて保管。 <チェック項目> ☐ 症状・診断・処置・指導内容まで一連で記載している ☐ 使用材料・薬剤(名称/ロット等)の記録に漏れがない ☐ 画像・X線等のエビデンスをカルテと紐づけ保存している |
|---|---|
| レセプトとカルテの内容不一致 |
☑ カルテの処置がレセプトに反映されていない/逆のケース ☞ アドバイス:月次照合の“仕組み化”が重要(担当・手順・期限・差異是正の記録)。 <チェック項目> ☐ 月ごとにカルテとレセプトの突合を実施している ☐ 照合履歴(日時・担当・差異内容・是正結果)を残している |
| 保険適用外処置の誤請求 |
☑ 自費対象の材料・方法を保険請求してしまう ☞ アドバイス:保険適用条件の院内マニュアルを整備・更新し、全スタッフで共有。 <チェック項目> ☐ 保険/自費の区分ルールを明文化し最新化している ☐ 新任者へ保険ルール研修・テストを実施している |
| 同意書・署名の欠落 |
☑ 説明後の同意署名や日付が未取得 ☞ アドバイス:説明直後に署名取得。紙の場合はスキャン保管、電子同意の場合は履歴を保存。 <チェック項目> ☐ 同意書の取得率を常に100%で運用している ☐ 日付・署名・保管状況を定期点検している |
| 院長が全体を把握していない |
☑ スタッフ任せで、指導当日に説明できない ☞ アドバイス:月1回の院長レビュー(カルテ・請求・掲示・記録)を定例化し、議事録を残す。 <チェック項目> ☐ 院長が月1回以上カルテ・請求をレビューしている ☐ 指導の流れと質問想定を事前に把握・周知している |
よくある質問(新規指導・個別指導対策)
Q. 新規指導と個別指導は何が違うのですか?
A. 新規指導は、初めて保険医療機関の指定を受けた際に必ず行われる“説明型”の指導です。一方、個別指導は、請求内容や診療記録に疑義がある場合に行われる“是正型”の指導で、改善報告が求められるためリスクが高くなります。
Q. 指導対策はいつから始めれば良いですか?
A. 少なくとも3か月前には準備を始めることを推奨します。カルテ・レセプトの整合性確認やスタッフ教育は短期間では難しいため、早めの着手が安心です。
Q. 指導当日に同席してもらえますか?
A. はい、可能です。必要に応じて当日の立ち会いや事後対応のサポートも行います(別途費用)。
Q. 対策を受けると必ず指摘はなくなりますか?
A. 残念ながら「指摘ゼロ」を保証することはできません。しかし、事前準備によって指摘内容を軽減し、改善指導をスムーズに進められる状態に整えることは可能です。
Q. 小規模の歯科医院でも依頼できますか?
A. もちろんです。規模に関わらず、初めて指導を受ける医院様や過去に指摘を受けた医院様のサポート実績があります。
不安を安心に、指摘を成長に。

新規指導・個別指導は、医院運営の基盤や信頼性を左右する重要な機会です。
適切な準備と対応は、指導当日の安心感だけでなく、その後の診療品質や経営の安定にも直結します。
ジョイデンタルサポートでは、現場経験に基づいた実践的なサポートで、事前準備から当日対応、事後改善までを一貫して支援。
単なる“対策”にとどまらず、医院の成長と信頼構築につながる体制づくりを全力でお手伝いします。
安心して指導に臨める環境を、共に整えていきましょう。

